Question
来月に退職予定の社員が年次有給休暇の残りを消化したいと申し出てきました。
退職まではあと20日ほど出勤日がありますが、年休の残日数は15日なので、このままでは十分な引継ぎが行われず、取引先との関係に支障が出そうです。
有給休暇の請求を拒否することはできるのでしょうか?
Answer
結論から言うと、年休の請求は拒否できません。
会社には、時期変更権といって、労働者が年次有給休暇を取得することによって、業務の正常な運営ができなくなる場合に、その取得時季をずらしてもらうよう労働者に命令できる権利がありますが、退職間際で変更する日数がない場合には時期変更権は行使できません。
また、今回のケースは、20日間の労働日のうち15日間の年休を取得したいということですから、時季変更権を行使したとしても出勤してもらえる5日間をどの日にするかの調整だけに留まり、あまり意味がありません。
ただ、退職することが決まっているとはいえ退職日までは貴社の社員として職務を全うする義務があるわけですから、未消化の年休が残っているからといって、引継ぎの義務を放棄していいことにはなりません。このあたりを退職予定の社員とよく話し合われてはいかがでしょうか。
ちなみに、法律では年休の買い取りは禁止されていますが、退職までに消化できなかった分については特にどう扱おうと自由ですので、このことも参考にして下さい。
それから、引継ぎが行われないと業務に支障が出てくるようですから、今後のためを考えると次のような対策を立てておかれる事をお勧めします。
- 年休残日数と引継ぎを考えて退職申し出の日を定める
- 年休の残日数を消化しても引継ぎに必要な出勤日数が確保できるよう、就業規則には「退職を申し出る場合は○ヶ月前までに・・・」と記載しておくとよいでしょう。
- 年休が溜まり過ぎない体質作りをする
- 日ごろから年休を取得しやすい職場環境を作り、残日数を増やしすぎないようにするとよいでしょう。これには、年休の計画的付与を利用するという方法が有効です。
更新日:2008/11/25



