Question
当社では、一部の社員を年俸制としていますが、その中の1人が「残業代が支払われていないから払って欲しい」と言ってきました。
年俸制だから残業代はない、と説明してもぜんぜん納得してくれず、彼は自分の言っていることが絶対に正しいと強く主張してくるので、こちらも不安になってきました。
まさかとは思いますが、もしかして当社のやり方は間違っているのでしょうか?
彼にこれ以上支払ったら人件費の予算をオーバーしてしまうので困るのですが・・・。
Answer
年俸制でも残業代の支払いは必要ですので、彼の主張が正しいものと思われます。
年俸制というと、プロ野球選手をイメージして残業代が不要だと思い込んでいる方が多いようですが、彼らは個人事業主なので労働基準法が適用されません。労働時間に応じた賃金の支払いが必要になってくる労働者とは分けて考える必要があります。
労働者に野球選手のような完全年俸制を導入するには、残業計算が不要となる以下のような労働者に限定して適用するか、一定時間数の残業代を定額制として年俸の中に含める必要があります。
- 労基法に定める管理監督者に該当する労働者
- 裁量労働制が適用される労働者
- 事業場外のみなし労働時間制が適用される労働者
ただし、上記の労働者においても深夜労働に対する割増賃金の計算を除外することは出来ませんし、定額制の残業代を採用するにしても、実際の残業が定額を上回る月は差額を支払う必要があるなど、どちらを採用するにしても、完全年俸制の実現に向けては労基法上のいろいろな制約を合法的にクリアする方法を知らなければなりません。
貴社は、このままでは労基法違反を指摘され、年俸制の社員に残業代を支払わなければならなくなるでしょう。予算オーバーを放っておけないなら年俸制の緊急な見直しが必要となりますが、労基法に関する知識が不足しているものと思われますので、それを補うために専門家(社会保険労務士)の手を借りることをお勧めします。
作成日:2009/08/20
