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求人募集の際の年齢制限について

 

求人募集の際の年齢制限について解説します。

年齢制限は原則禁止となりました

平成16年12月1日より、募集・採用時に年齢制限を設ける場合は、その理由を明示しなくてはならないことになっていました。そして、例外的に年齢制限が認められる場合として10項目が示されていました。

しかし、更なる雇用保険法の改正が行われ、平成19年10月1日からはこれがもっと厳しくなり、募集・採用における年齢制限は原則として禁止となりました。例外も6項目へと減少し、内容もより限られた条件へと変更になりました。

それでは、これら6項目の例外事由について順にみていきます。

 

定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

期間の定めのない労働契約においては、定年年齢を上限として年齢制限をすることが認められます。

認められる場合

■「60歳未満の方を募集(定年が60歳)」

認められない場合

■「60歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」
認められるのは「期間の定めのない契約」のみです。有期契約を定めることはできません。

■「60歳未満の方を募集(定年が63歳)」
上限年齢と定年年齢が一致していないとダメです。

■「40歳以上60歳未満の方を募集(定年が60歳)」
下限年齢を付すことはできません。

■「○○業務の習熟に2年間必要なため、58歳以下の方を募集(定年が60歳)」
業務の習熟に一定期間が必要であることを理由に上限年齢を下げることはできません。この場合は、上限年齢を60歳未満とした上で、「○○業務の習熟に2年間必要である」旨を求人票に明示することになります。

 

労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合

労働基準法等の法令において、特定の年齢層の就業が禁止・制限されている業務については、年齢制限をすることが認められます。

認められる場合

■「18歳以上の方を募集(労働基準法第62条の危険有害業務)」

■「18歳以上の方を募集(警備業法第14条の警備業務)」

認められない場合

特になし

 

長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

長期勤続によるキャリア形成の観点から、新規学卒者等をはじめとした若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合には、上限年齢を定めることが認められます。

ただし、
1.対象者の職業経験については不問とすること
2.新規学卒者以外のものにあっては、新規学卒者と同等の処遇であること
という2つの要件を満たす必要があります。

なお、「同等の処遇」とは、新卒者と同様の訓練・育成体制、配置・処遇をもって育成しようとしている場合を指すものであり、賃金等が新卒者と完全に一致しなければならない趣旨ではありません。

認められる場合

■「35歳未満の方を募集(職務経験不問)」
※「若年者等」とは、必ずしも35歳未満に限られるものではありません。

■「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」
※必要な免許資格を定めていても、実務経験を有する資格でなければ認められます。

認められない場合

■「35歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」
認められるのは「期間の定めのない契約」のみです。有期契約を定めることはできません。

■「40歳未満の方を募集(○○業務の経験のある方)」
職務経験を条件に定めることはできません。

■「20歳以上35歳未満の方を募集」
下限年齢を付すことはできません。

 

技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

技能・ノウハウの継承の観点から、『特定の職種』の『特定の年齢層』において労働者が『相当程度少ない』場合には、この特定の年齢層に限定して募集・採用することが認められます。ただし、これは、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合に限ります。

特定の職種:

『特定の職種』については、技能・ノウハウの継承が必要となる具体的な職種の名称を用いる必要があります。
厚生労働省『職業分類』の小分類もしくは細分類、または、総務省『職業分類』の小分類を参考にしてください。

例:機械・電気技術者(中分類)における電気通信技術者(小分類)、農林水産業・食品技術者(中分類)における水産技術者(小分類)、家庭生活支援サービス職業従事者(中分類)におけるホームヘルパー(小分類)など

>>>[総務省 日本標準職業分類 平成9年12月改訂]

>>>[Amazon.co.jp:労働省編職業分類 職業分類表]

特定の年齢層:

『特定の年齢層』は、30歳~49歳のうちの特定の5~10歳幅の年齢層としてください。

例:「30~34、35~39、40~44、45~49」

相当程度少ない:

『相当程度少ない』とは、同じ年齢幅の上下の年齢層と比較して労働者数が1/2以下である場合を指します。

認められる場合

■「○○社の電気通信技術者として30~39歳の方を募集(○○社の電気通信技術者は、20~29歳が10人、30~39歳が2人、40~49歳が8人)」

認められない場合

■「○○社の電気通信技術者として25~34歳の方を募集」
特定の年齢層が「30歳~49歳」の範囲に収まっていません。

■「○○社の電気通信技術者として35~49歳の方を募集」
年齢幅が「5~10歳」を超えてしまっています。

■「○○社の電気通信技術者として30~39歳の方を募集(○○社の電気通信技術者は、20~29歳が30人、30~39歳が15人、40~49歳が25人)」
同じ年齢幅の上下の年齢層と比較して1/2となっていません。

 

芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合

芸術作品のモデルや、演劇等の役者の募集・採用において、表現の真実性等のために、特定の年齢層の労働者に限定して募集・採用することが認められます。

認められる場合

■「演劇の子役のため、○歳以下の方を募集」

認められない場合

■「イベントコンパニオンとして、30歳以下の方を募集」
単に、特定の年齢層を対象とした商品やサービスの提供等が目的であり、芸術・芸能の分野に該当しない場合は認められません。

 

60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る)の対象者となる者に限定して募集・採用する場合

60歳以上の高年齢者に限定して募集・採用する場合には、年齢制限をすることが認められます。
また、特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇入れ助成金等)を活用するため、その施策の対象となる特定の年齢層に限定して募集・採用する場合には、年齢制限をすることが認められます。

認められる場合

■「60歳以上の方を募集」

■「(中高年齢者トライアル雇用の対象として)45歳以上65歳未満の方を募集」

■「(若年者トライアル雇用の対象として)35歳未満の方を募集」

認められない場合

■「60歳以上70歳未満の方を募集」
60歳以上の高年齢者を募集・採用する際には、上限年齢を付すことはできません。

■「(中高年齢者トライアル雇用の対象として)45歳以上60歳未満の方を募集」
募集・採用する年齢層を国の施策の対象となる特定の年齢層よりも限定することはできません。

 

年齢制限を行わずに、求める人材を雇用するには

上記の例外事由に該当する場合でなければ年齢制限をすることができません。しかも、年齢制限を例外的に行うことができる6つの事由について順に見てみましたが、かなり制約が大きいと感じられたことと思います。

では、実際に年齢制限を行わずに、求める人材を雇用するにはどうすればいいのでしょうか?

その答えは、「年齢については不問とした上で、求人票に職務の内容や、職務の遂行に必要な労働者の適性、能力、経験、技能などをできる限り具体的に明示する」ということです。

以下に具体例を提示します。

認められない場合   認められる場合
「若者向けの洋服の販売員として、30歳以下の方を募集」 >>> 年齢を不問とした上で、求人票に以下のように記載する。
「10歳代後半から20歳代前半までの若者向けの洋服の販売であり、宣伝を兼ねてその商品を着用して店舗に出る業務です。」
「長距離トラックの運転手として、45歳以下の方を募集」 >>> 年齢を不問とした上で、求人票に以下のように記載する。
「長距離トラックを運転して、札幌から大阪までを定期的に往復し、重い荷物(○○kg程度)を上げ下ろしする業務です。この業務を継続していくためには持久力と筋力が必要です。」
「高所作業を行う業務のため、55歳以下の方を募集」 >>> 年齢を不問とした上で、求人票に以下のように記載する。
「建設現場における高所(10m以上)での作業を行う業務です。この業務を継続していくためには持久力と筋力が必要です。」

 

年齢制限の禁止は職安への求人だけに限ったことではありません

年齢制限の禁止は、公共職業安定所(ハローワーク)を利用する場合に限ったことではありません。

事業主がご自身で募集・採用を行う場合や、民間の職業紹介事業者、求人広告、求人雑誌などを通じて募集・採用する場合にも適用されることになります。

年齢制限を行いたい多くの事業者にとってはなかなか厳しい法律改正となりますが、これから更なる高齢化を迎える日本においては必要なことであるのかもしれません。

読者の皆様には、ここに記載した内容をヒントにして、求める人材の確保への参考にしていただければ幸いです。

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