社員に法定労働時間を超えて働かせたり、法定休日に出勤させたり、深夜労働をさせた場合は、通常の賃金に加えて割増賃金を支払う必要があります。
割増賃金の計算を間違えていると、払いすぎて会社が損をする、または、足りなくて不払い残業で訴えらる、といった困った事態を生む可能性があります。割増賃金は、労働基準監督署の調査でもチェックされがちな項目ですから、計算方法について今一度再確認しましょう。
計算方法
割増賃金は、次のように計算します。
- 通常の労働時間または労働日における1時間当たりの単価を求める・・・・・A
- Aに割増率をかけて割増賃金の単価を求める・・・・・B
- Bに時間外労働や休日労働の時間数をかける
この1と2は注意すべき事項が多いので順に解説します。
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1時間当たりの単価
1時間当たりの単価Aは以下の式で求められます。
A=基準内賃金÷月平均所定労働時間数
基準内賃金=基本給+諸手当 となります。これを基本給だけで計算している事業所を見かけますが、基準内賃金には手当も含めなければなりませんので注意して下さい。
「月平均所定労働時間数」は、1年間の所定労働時間数を12で割ればいいので、
(365日-年間休日)×1日の所定労働時間÷12ヶ月
という式で求められます。
■基準内賃金に参入しなくてもいい手当とは
次の手当は、割増賃金の計算基礎から除いてもよいことになっているため、基準内賃金に参入しなくてもかまいません。ただし、交通費実費や距離等に関係のない通勤手当、家族数に無関係な家族手当、住宅の有無に無関係な住宅手当など、名称にかかわらず一律的に支給されるものは除外できないので注意して下さい。
| ●家族手当 ●通勤手当 ●別居手当 ●子女教育手当 ●住宅手当 ●臨時に支払われた賃金 ●1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
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割増率
時間外労働、休日労働および深夜労働の割増率は次の通りです。
| 時間外労働等の種類 | 割増率 | 備 考 |
|---|---|---|
| 時間外労働 | 0.25 | 1日8時間、1週40時間を超える労働 |
| 休日労働 | 0.35 | 法定休日の労働 |
| 深夜労働 | 0.25 | 午後10時~午前5時の労働 |
| 時間外労働+深夜労働 | 0.50 | 0.25+0.25 |
| 休日労働+深夜労働 | 0.60 | 0.35+0.25 |
| 休日労働+時間外労働 | 0.35 | ※休日に時間外という概念はありません |
■注意すべきポイント
●時間外労働
法定労働時間を超えて行われた労働については割増賃金が発生しますが、次の事業場については1日8時間、1週40時間と一律的に扱うことができません。
- 変形労働時間制、みなし労働時間制、裁量労働時間制、フレックスタイム制などを採用している事業場
- 商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業で常時使用する労働者が10名未満の事業場(これらは1週44時間となります)
●休日労働
休日労働とは、法定休日に行われた労働のことをいいます。法定休日は「毎週1日または4週4日」と定められているため、すべての所定休日に休日労働の割増率を適用する必要はありません。
したがって、法定休日以外の休日出勤については、時間外労働になるかどうかで割増賃金の支払いを判断することになります。
●深夜労働
労働基準法41条に「管理監督者は労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しない」とありますが、深夜労働はこれには含まれません。したがって、管理監督者であっても深夜労働については割増賃金を支払う必要があります。
更新日:2008/11/25



