J.S.

社会保障制度とファイナンシャルプランニング

先日、FPの勉強会で講師を務めました。日々いろいろな業務をこなしていると、資料の作成などセミナー準備のための時間を取るのがむずかしいですね。でも「FP協会の単位取得期間である2年間に1回ぐらいはやらなければ」と思い、久しぶりにお話しさせていただきました。

社会保険労務士からFP向けの話は年金関係が多いのですが、そういうのは年金専門の先生にお任せしているので、私は今回、健康保険の給付である傷病手当金などの社会保障制度についてと労使トラブルの事例紹介みたいな話をしました。

FPの皆さんは個人の資産に関する相談に乗る上で、投資のアドバイスを行ったり、家計の見直しで保険を販売したり、といったことを日々行っていらっしゃいますが、社会保障制度の話はこの保険販売の際に、より適切なプランを提案できるためのお役に立てたのではないかと思います。

また、実際に申請した傷病手当金や労使紛争の事例を紹介できたことで、勉強会に参加された税理士さん、不動産屋さん、保険屋さんなど、関連業種の方に社労士が日々どんな業務を行っているか、その具体的なイメージをお持ちいただけることにも繋がったと思います。

 

 

後日、勉強会に参加された不動産鑑定士さんから、空き家問題を解決する士業と業者さんのグループをご紹介いただきまして、相談会に参加させてもらいました。実家が空き家になっていて、どうすべきか考えていたので、いろいろとヒントを授けてもらいました。

年間休日数を見直す会社が増えています

中小企業で年間休日数を増やす動きというのは、ここ数年で増えてきていますが、最近はさらに顕著になってきています。仕事を探している人が、ハローワークやその他の求人媒体で募集要項を見る際に、特に気にしてチェックしている箇所の一つが年間休日数だからです。

最近は円安の影響もあってか、ベトナム人も日本に来てくれなくなりそうですし、日本人を雇用するに当たり魅力的な労働条件となると年間休日が多かったり、残業が少なかったりと、従業員さんの私生活の時間を侵害しないことが重要なのかもしれません。

 

1日8時間労働で週5日勤務(週休二日制)だと1週40時間という法定労働時間の上限と一致します。この設定で他の休日がないとすると、年間の所定労働日数は260日、年間休日数は105日となります。もしも年末年始とお盆で計5日の休日があるなら、調整のため1年のどこかで週休二日ではない週を5回ほど作ることにはなりますが、とにかくこの105日というラインを年間休日数の最低条件だと考える求職者は多いようです。

1日の所定労働時間が7時間30分の会社の場合、法定労働時間を上回らないギリギリのラインに設定して、年間の所定労働日数を278日、年間休日数を87日として年間カレンダーを作成している事象所も多いと思います。もちろん、これでも法律的には何ら問題はないのですが、年間休日数が3桁に届かないというのは、若年層の求職者などにはブラックに映ってしまうのかもしれません。

「年間の所定労働日数を見直したい」「求人に応募してもらえるような会社にしたい」といったご要望がありましたら、ぜひご相談ください。

職場環境を改善しましょう

先日、須田社会保険労務士事務所のWEBサイトをリニューアルしました。今まではたくさんのコンテンツがあり、どこから見ていいのかわからないような状態になってしまっていたので、全体的にシンプルな構成にしました。

最近は労働に関する法律が毎年のように改正されており、社員の定着と求人応募の増加を目指して、職場環境の改善や法令順守のためのコンサルティングを求めるお客様が増えてきています。そこで、労務関係の手続き業務を伴わない相談だけの顧問契約もわかりやすい形で掲載するようにしました。

『会社が抱える問題点をピックアップし、それらを一つ一つ潰していきながら職場環境を改善していくことで、人材のレベルアップを図り経営を成長路線に持っていく』という作業は、かつては就業規則の見直しを通して経営者の知識向上と意識改革を伴う形で実現していましたが、これからは『社労士診断認証制度』を使うやり方も有効だと感じています。

アプローチは少し異なりますが、一定のお金をかけて改善を目指していく企業は、どちらも数年後には見違えるような結果を導き出しています。こういった作業は、私たち社会保険労務士にとって、自分たちがやっていることの価値の高さとやりがいを実感できるものなので、私だけでなく有資格者である当事務所の職員にどんどんやってもらい、経験を積んでいってもらえたらと考えています。

 

3月にファイナンシャルプランナーの集まる勉強会で労働に関する話をすることになっており、今その資料を作成中です。2~3のテーマについて考えてもらったことを発表してもらったりと、グループディスカッションをやりながら楽しく学び意見交換できる場にできたらと考えています。