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社員を請負契約に変更できますか?

社員を請負契約に変更できますか?

Question

社員を請負契約に切り替える方法があると聞きました。
請負だと社会保険料を負担しなくて済むし、労働基準法のことを考える必要もないとのことです。

もしこれが可能であれば、工場で働いている社員を何人か社内請負に切り替えたいと考えているのですが、法律的な問題点や注意点などはありますか?

 

Answer

社員を雇用契約から請負契約に切り替えると、社員は請負人(個人事業主)となり労働者ではなくなるため、会社は労働基準法に縛られることがありません。

確かに、社会保険料の負担がなくなるばかりか、労働時間をきちんと管理し法定労働時間を超える残業に対して割増賃金を支払う必要もなければ、年次有給休暇を付与する必要もなくなるわけです。

これは一見するとコスト削減につながり、会社にとって「いいことづくめ」のように思えます。しかし、単にそのことだけに注目して社内請負化を進めると、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあるため注意が必要です。

社内請負化の注意点を次にいくつか挙げておきますので、これらを踏まえて慎重に検討してみてください。

●指揮命令ができない

請負契約というのは、ある期限までに仕事を完成させることに対して報酬を支払う契約です。仕事の進め方や時間配分などは請負人の自由に任されていま す。したがって、請負人に対して「○時に出社しなさい」「退社時間は○時です」といった労働時間の管理をすることもできなければ、「今日は○○の作業をし てください」といった細かな指揮命令もできないことになります。

もし、請負契約に切り替えても上記のような管理をしていれば、その請負契約は社会保険料や労働基準法逃れの脱法行為であり、請負人は実質的には労働者であると判断されてしまいます。(この場合、労基法違反を問われたり保険料を追徴されたりする可能性があります。)

●会社の求心力低下

請負契約に切り替わることによって社会保険料の負担、年次有給休暇の付与、割増賃金の支払いがなくなるわけですから、会社がコスト削減できる分、社 員であった請負人の負担は増えることになります。また、厚生年金から国民年金へ切り替わること、退職金の積み上げがなくなってしまうことなどは、将来に対 する保障の低下を意味します。

これらを請負人となった元社員(およびその家族)がどう捉えるかが気がかりです。請負契約へ切り替える際には社員に退職してもらわなければなりませ んので、同意が得られるかどうかという点が重要になってきます。同意が得られたとしても、他の会社や部署等で社員として同じような仕事に就いている人と比 較して待遇に不満を持ったり、相対的に契約金額が低いと感じたりすると、業務遂行に悪影響を及ぼす恐れがあります。

●業務災害に労災が使えない

請負人は労働者ではないので、工場内で災害が発生し負傷しても労災保険が適用されません。一人で事業をしている個人事業主は、(建設業など一部の業種を除いては)特別加入するという道も閉ざされているため、仕事中にケガをしても労災保険の給付が受けられないのです。

そのため、請負契約に切り替える人については、業務災害に備えて民間の生損保などに加入しておいてもらった方がいいのは言うまでもありませんが、後遺障害が残るケースや死亡時など大きな事故に遭った場合に年金が受給される労災保険のような手厚い補償は期待できません。

 

作成日:2010/10/05

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