固定残業

最低賃金と固定残業計算ツールなど

10月からの最低賃金の変更で、「自社の月給の設定が最低賃金違反になってしまうのかがよくわからない」というお客様や「固定残業を導入しているが、基礎賃金を上げて最低賃金を下回らないようにすると、その固定残業が何時間分の時間外労働に該当するのかわからない」といったお客様がいらっしゃいます。

賃金をどう設定するかは会社にとっても働く人にとっても重要な問題ですから、そういうご相談があれば、できるだけわかりやすく説明してご納得いただけるようアドバイスしていますし、固定残業を計算できる便利なツールなどもありますので、それをお渡ししてご利用いただく、といったことも行っています。

そういったツールは、もともとは自分たちがコンサルティングしやすいようにExcelで作成したものですが、使いこなすことができるお客様にはどんどん提供するようにしています。

 

また、ここ数か月の間に労働時間の管理を適切にできるようにするExcelの勤怠管理簿も何社か作成して提供しました。運送業でデジタコを導入していないため日報で労働時間を把握しているが労働局の指導で改善するように勧められたお客様、建設業で日勤+夜勤と1日に2回の出勤をする日があり普通の出勤簿では対応できないケースなどです。

もちろん、クラウドの勤怠管理システムを導入してもらうという手もあるのですが、きちんと運用するには総務など管理部門にある程度のITに関する知識を有する社員がいないと厳しいですから、小規模な会社だとExcelツールが最適だったりします。

こんな感じで顧問契約をしていただいているお客様には、その会社の状況や特殊事情に応じたツールや書類など作成していますので、「うちはこんな状況なんだけど、どうしたらいいのだろう~」って思っている場合は、ぜひご相談いただけたらと思います。

固定残業の給与計算

世界ではオミクロン株のピークアウト後も感染は下げ止まり再燃するようですから、日本も同じ道を辿ることになるのかもしれません。3月までとされていた雇用調整助成金の特例措置は、5月末まで延長されることになるようですが、助成金に頼らなくてもいい社会が来る日が待ち遠しいですね。

 

残業代は時間数に応じて支払わなければなりませんが、一定時間数の残業代を固定的に支払う「固定残業」や「定額残業」といった制度を導入している事業者も数多くいらっしゃいます。

固定残業代を支給していても、実際の残業時間に基づいて算出された残業代がそれを上回る場合は、差額を別途支給しなければなりません。残業時間をきちんと把握せず、必要な残業代を支払っていないと不払いとなり、後で大きな問題になりかねません。

残業が深夜に及んだり、法定休日の出勤であった場合などは、割増率が増えた分を考慮して計算をする必要がありますし、また、実際の残業時間が固定残業で想定していた時間を下回ったとしても、何らかの手当を追加支給したりすると、残業単価が増えて不払いが発生してしまうこともあり、その点も注意が必要です。

つまり、固定残業を払っているからといって、労働時間を把握する義務からは逃れられないし、残業計算をしなくてよくなるわけではありません。三六協定の限度基準を超えるような時間数の固定残業は裁判所に否定されるリスクもあり、従業員に「どれだけ残業しても給料が増えない」という不満を抱かせる要因にもなるため、さじ加減が重要になってきます。

このように、固定残業はいいこと尽くめではないのですが、人件費の見通しを立てることができたり、従業員に一定の金額を補償することで雇用を安定させやすくできるなど、企業のとっていくつかのメリットがあることも事実です。

固定残業を導入したり、残業計算に関して正しく計算できているか自信がない場合は、社労士事務所に相談されるとよいでしょう。社会保険労務士が使っている給与計算ツールの中には、計算式を設定できて固定残業を上回る支給分を自動計算できるものも存在します。